自宅破壊道 十ヶ条半

押忍

「自宅破壊道とは、自宅を破壊することと見つけたり。」
これは、かの有名な聖徳・アーサー・太子の言葉です。

100分以上の歴史を誇る偉大な文化、自宅破壊道。
数々の流派がありますが、現在では対偶千家や伊藤家が主流となっていますね。

申し遅れました。わたくし、コーンポタージュ界のチーズフォンデュこと、蝉丸です。
今回は、ついに、自宅破壊道の心得をお伝えしたいと思います。

押忍

 礼節を重んじるべし

道と付くだけあって格調高い日本の文化です。よって、礼儀は何よりの基本です。
家を建ててくれた建設会社への会釈、土地を守る神への感謝の気持ちを込めた恋ダンスは忘れないようにしましょう。
当日から起算して4日前から食事をとらないようにし、身体の内部から清めておくのも大事な準備です。

実際に自宅破壊を行う際にも気を付けるべきマナーがあります。
ガムを噛みながら行う場合はキシリトール配合でないものにしましょう。破壊行為の最中に歯をいたわるのは破壊行為への冒涜となりえます。
また、咥えタバコは偶数本にしましょう。火を用いた破壊は道に反するものです。割り切れる数にしておくことで相殺し、破壊行為に火を使わないという意思表示ができます。
もちろん、フリルの付いた服や高下駄、年号のサングラスは身に着けてはいけません。土地を守る神とお揃いにすべきではないからです。

 言葉遣いに気を付けるべし

美しい文化は美しい言葉に支えられているもんです。
破壊に際してついつい方言や讒言が出てしまうかもしれませんですが、正しすぎる日本語と美しすぎる発音を心掛けましょうよ。
自宅が憎いから破壊するのではありません。まっすぐな気持ちで向き合い、時には自宅に優しく語り掛けながら手ぇ動かしていきましょう。

言葉遣いの乱れは左脳の乱れ。左脳の乱れは天国へのカウントダウンです。
いんや、言葉遣いが乱れるような愚かな人間が天国に行けるとは限りません。
日本語力に不安が残る方は、私共が隔月で開いております私塾の地下12F売店にてテキストティッシュを販売しております。
ぜひお買い求めますようよろしくお願い奉り候でございます。

 一人称に気を付けるべし

一人称は何を使っていますか?
自宅破壊道において、「私」「僕」「俺」「ウチ」「おじさん」は6大禁忌一人称とされています。(※もう1つはあまりにも下世話で不謹慎なため、割愛させていただきます。)
「自身を正しく表現できる者でなければ、この道は歩けない」って、さっき2塁コーチに言われました。どういう意味なんでしょうか。
謎です。

くれぐれも言葉遣い一人称には気を付けてくださいね。
言葉遣いの乱れは左脳の乱れ。左脳の乱れは煉獄への片道切符です。

拙僧は「小生」「僕様」「卑しき盗人風情」といった一人称を用いるようにしています。
あと、二人称はたぶん気にしなくていいので、お前らも気を付けるところ・抜くところはしっかり区別するとよろしいかと存じます。
ぜひ参考になさってくださいますようよろしくお願い奉り候でございます。

 語尾に気を付けるべし

語尾も気を付けてください。
変な語尾を付けて喋ることはあまりおすすめしないんデウスエクスマキナ。

くれぐれも言葉遣い語尾には気を付けてくださいね。
言葉遣いの乱れは左脳の乱れ。左脳の乱れは地獄の株主優待券です。
そしてもう優待は始まっています。変な語尾を使ったら、必ず即座に気を失うことでしょう。
せいぜい気を付けたほうがいいと思いマスコミ関係者。

 己の身一つで行うべし

破壊活動に工具や武器、楽器やエンゼルフィッシュなどを使うのはスマートではありません。
騎士道精神に則り、詐欺まがいのウォーターサーバーの契約細則にも則り、身一つで行いましょう。

かつて自宅破壊を嗜んできた先人たちはみな、身体一つで行ってきたのです。道具に頼るのは甘えです。
なお、最近の研究と妄想をもとに考察すると、自宅破壊道が始められた当初から2017年まで投石器だけは使っていたという説が濃厚です。
でも、道具に頼るのは甘えです。だから、だめです。

 この心得をなるべく守ること

自宅破壊道の心得をきちんと守ることもまた自宅破壊道の心得です。
ちゃんと守ることを忘れないようにして、ちゃんと守るようにしたほうがいいと思いました。

 家は壊しても膝壊すな

自宅破壊道は全身を激しく動かすものです。
立ったりしゃがんだり片手で逆立ちしたりを繰り返すこともあるかと思いますが、膝だけは壊さないようにしましょう。
膝が壊れたら不便だからです。医療費もかさみます。
お前のように保険証を持っていない人はその分さらにかさみます。
あまりにもかさむので、それはもう、大変です。
お金がなくなったら、住むところがなくなっちゃいますよ(笑)

 どうしてもと言うなら道具を使うべし

どうしてもと言いますか?言うのなら、道具を使ってもいいです。
工具や武器、楽器やエンゼルフィッシュを使って自宅破壊道を効率よく進めましょう。
道具に頼るのは甘えですが、最近はなんだか「生きてるだけでえらい」みたいなやつが流行る風潮で軟弱者ばかりですし、時代の流れということで受け入れざるを得んでしょう。

近頃の若者は覇気がなくてかないません。
くたばり損ないのようなことを言ってしまって恐縮ですが、炭酸ばかり飲むと骨が溶けますよ。
それに、古臭い考えかもしれませんが、写真を撮られると魂が抜けるので撮らないでください。

 心得を守れなくても落ち込まないこと

自宅破壊道の心得を守れなくても、折れずに次また頑張ること。これも自宅破壊道の心得です。
ちゃんと守ることを忘れても、次は忘れないようにして、できれば守るようにしたほうがいいと思いました。

 ワイルドドロー4は他に出せるカードがないときにだけ出せる

手札の中に出せるカードがある場合、ワイルドドロー4は出せません。
出せるカードがあるときに偽って出すことはできますが、バレた場合処罰の対象となります。
4枚ドローおよびそれに準ずる過料です。

 ドロー2が出された時点で2枚引くので、効果の蓄積などしない

ドロー2やワイルドドロー4は、次々と出して最後の人がたくさんドローする……というわけではありません。
1枚出された時点で次プレイヤーがドローして、さらに次のプレイヤーへと手順が回るのです。
ドロー2にドロー2を重ねられてマジギレ、それ見て笑って楽しそうですが、優しい笑顔に癒されませんので、正しいルールで遊びましょうね。
分かったゾイか?

 手洗いうがいを